スロウマーケティングということ

スロウマーケティングとは僕の造語です・・・と言いたいところですが、実は船井総研さんが何年も前から言ってた言葉です。
「いいキャッチフレーズを思いついたぞ!」となってから半年。
同じことはみんな考えるわけですね。

さて、自分自身にも言えることですが、こういった仕事をしていると、ある仕事に対しての結果を早くに求めすぎる傾向があります。
何万かけて広告出した!何人が見て、何%のリーチ率だから、来客数は何人で、客単価が何円だからどうのこうの!みたいな。

でも、それが全てじゃないなんて誰でもわかるわけで、何かを変えて(もしくは何かを加えて)爆発的な何かを得ようとして、あれやこれやとするのは、結局心が貧しいことなんじゃないかなんて思うわけです。

じわじわ効く、マーケティングもある。
僕はそれこそが今後消費が縮小する中での、最も賢い選択肢なんだと思っています。
まあ、扱うモノによるんですけども。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071012/137388/
「素敵な広告をありがとう。20年間ずっと買っちゃうよ」

という記事が日経ビジネスオンラインにありまして、僕がたいそう感動したということです。

『人の購買というのは、単純な「損得」だけではありません。
 ブランドというものは、その単純な「損得」を超えたところにあると思います。』

ふんふん、ほんとに僕もそう思います。

例えば、どこの誰が作ったかわからない、やたらとケバケバしくて目立つ包装のお豆腐20円と、めっちゃくちゃ人が良いんだけど最近腰を痛め気味のおじさん(54)が、20歳になる娘と旅行に行ってしみじみと若い頃の話とかするおばさん(52)と素材にこだわりながら、毎日毎日「今日のもサイコーです。おからとかもどうですか?」なんてブログにアップしながら売ってる豆腐100円・・・どっちの方が買い続けたいですか?

一時的には20円の方が売れるでしょう。
安いから。

牛乳買うときも賞味期限が遠いほうから買うでしょう?それとおんなじです。

でも、10年後も買い続けてたい豆腐って言ったら後者だと思うんです。
少なくとも、僕は後者です。
それが、本当の「ブランド」ということだと思います。

ここで注意したいのは、味に関しての記述は全くしていないのに、後者の方がおいしそうな気がすることです。
それがどういうストーリー(この場合、製品そのものに関するストーリーですらなくてよく、製造者自身のエピソードでもいい)で作られているのか?どういう人たちが作っているのか?
そういった情報によって、味わうことなく人は味の優劣をつけることが可能なんです。

僕は、それこそがスロウマーケティングだと思います。

もうひとつ、さっき紹介した記事で感動した部分があったんですけれども、それは明日にしときます。