師走の語源が興味深い件
日本には美しい文化があります。
月に四季折々の名前を名づけたことです。
一方、西洋では主に神々や皇帝の名前(March=マルス、July=ユリウス・カエサル)や単純に何番目の月(8月〜12月の○○ber)という意味だったりと、月の名前に四季を織り込むことはありませんでした。
勿論どちらがいいというわけではありませんが、日本に生まれた自分としては日本贔屓してしまいたいところですね。
睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走
1月には仲睦まじく親戚が集まり、2月には冷え込みが厳しく着物を更に着る。
3月にはいよいよ草木も生えてきて、4月には初々(ういうい)しく春が始まる。
5月には稲(皐)作業のため耕作がはじまり、6月には水を田に張る。
7月は七夕・・・短冊に文をしたため、8月には稲穂(葉)が茂る。
9月には夜=月が長くなり、10月には出雲へ神も人も参るため神が日本からいなくなる。
※一方、出雲では10月のことを神在月というらしい
しかも「な」だけ赤くするとひぐらしっぽい
11月には霜が降りはじめ・・・
そして12月。
有名なところでは'''「師=僧侶が東奔西走するために師(し)を馳す(走らせる)」'''から「しはす」だという説。
これだと僕は信じきっておりましたが、他にもある様子。
その他、「年が果てる」意味の「年果つ(としはつ)」が変化したとする説。
「四季の果てる月」を意味する「四極(しはつ)」からとする説。
「一年の最後になし終える」意味の「為果つ(しはつ)」からとする説があるようです。
3つとも、何だか年末ならではの「もののあはれ」がありますね。
「終わり」にこそ何とも言えぬ風情を感じるような。
咲いて散る桜。線香花火は土に落ち、祭りの後。夏が過ぎ風あざみ、そして落葉。
日本人はもともとタナトスが・・・いや、長くなりそうなのでやめておきましょう。
・・・この時期は街をイルミネーションが彩り、X'masムードに色めきます。
なぜか日本人が敬虔な(?)クリスチャンになる1ヶ月です。
まあバブリーな雰囲気に酔うのも一興かもしれませんが、どてらを着込んで熱燗傾けて、雪、無音、窓辺にて・・・というのも日本人ならでは粋じゃないですか?